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              スミレ愛好会会員の活動


南米チリのアタカマ砂漠・アンデス山脈のスミレ(KoI 氏)
 
  チリは南米大陸の西、太平洋岸に沿って南北4300kmの細長い国(日本列島は約2000km)で、東は
  アンデスの雪山が連なっている。北は炎熱のアタカマ砂漠があり、南の南極に近い荒野はパタゴニアと
  呼ばれている。中間には肥沃な農業地域が広がり、裕福な国である。
  この国は、日本と同様にスミレの種類が多く、約50種が自生していて個体数も非常に多い。その内、35
  種類は”マツカサの様な植物体からスミレの花が咲く” と言う、世にも奇妙なスミレたちで、これらは
  ロゼット・ビオラと呼ばれ、一説では原始的なスミレとも言われている。(日本の様な有茎種・無茎種は12
  種類だけ。)
  2005年12月、2006年9月、2006年12月の3回、チリ・スミレ探索で見かけたチリの珍奇なスミレたち
  を紹介します。
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                    Viola asterias (アステリアス)



                  Viola atropurpurea (アトロプルプレア)

                  Viola congesta(コンゲスタ)


リルカイ高原








                  Viola leybordiana (レイボルデイアナ)


       Viola macurata (マクラータ)


                       Viola polypoda (ポリポダ)




          Viola reichei (レイチェイ)



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スミレと花粉(T 氏)

  「スミレの花粉はおもしろいで」という学生時代の恩師のひとことからスミレにご縁ができてしまいました。
  生き物や自然好きで学生時代はよく山や海へでかけていましたが、植物に関しては仕事ではからんで
  いるにもかかわらず愛好家の方々の知識には及びもつきません。
  学生時代の延長のように花粉をのぞきスミレ愛好会に入ってしまったわけですが、見ればみるほど、話を
  聞けば聞くほどスミレの世界は奥が深い。日本に自生する種が多い上に交雑種も存在するのですから。
  スミレの世界を楽しむだけで精一杯な感じもありますが、日々の生活の合間に少しずつ調べた花粉のこと
  について、述べさせていただきます。

  まず、最初に注目したのは、日本産野生スミレの花粉とパンジー系のスミレ(日本に野生種は存在しない)
  の花粉の特性です。ヨード・ヨードカリで染色したとき、前者は赤褐色に(デンプンを含まない、コスミレ 
  写真1)、後者は黒く染まります(デンプンを含む、ビオラ園芸品種 写真2)。簡単に染色ができ、明らかに
  違いが分かるので、自分で栽培したりいただいた花で調べてみたところ、多年草である日本産野生スミレで
  はほとんどが非デンプン花粉、1年草のパンジー系ではデンプン花粉でした。同じ属の中でこのように花粉
  特性が違うことは多くはないそうです。
  また、外国種であるソロリアの類は多年草ですが部分的にデンプンを含むことが多く(レッドジャイアント 
  写真3)、ときにはパンジー系のように花粉全体にデンプンを含むこともあり(プリセアナ 写真4)両者の特性
  を合わせもっているようでした。その他、写真を見てもわかるように、パンジー系の花粉は日本産スミレに
  比べて大型です。発芽孔数は日本産スミレでは3のものが多く、パンジー系では3〜5と多様でした。まだ
  ほんの一部しか観察していませんが、世界各地のスミレ花粉のデンプン含有を調べ、スミレ属の分化を類推
  する一助にはならないかと考えています。

  もうひとつ興味を持ったのは、日本産すみれの交雑種の花粉です。正常な花の花粉(写真1コスミレ)と、交雑
  種で不稔の花粉(フイリシハイ×コスミレ 写真5)は顕微鏡で見ると違いがすぐわかります。交雑種の中でも、
  フイリシハイ×コスミレのように染色される花粉がひとつもない組み合わせや、フイリスワキクバ(写真6)、エド
  ユシマ(写真7)などのように少数の染色される花粉を含む組み合わせもありました。比較的近縁の種同士の
  掛け合わせでは、種子ができることもありますが、正常花粉率と実際の結実率はある程度相関しているようでした。
  また交雑種に含まれる数少ない染色花粉は黒く染まる(デンプンを含む)部分があるものが多いようでした。
  環境条件や生育が悪いときや、変異があるときには不稔花粉が増え、日本産スミレもデンプンをある程度含有
  する傾向にあるので、環境や植物の状態と花粉のデンプン含有の関係についても調べてみる価値がありそうです。
  (交配種の花は愛好会I氏邸のスミレからいただきました)

  短いスミレシーズンにベランダの世話、写真撮影などに時間をとられ、花粉を観察する時間は少なくなって
  しまったのですが、気がついたことを少しずつ記録していきたいと思います。何かおもしろそうなお話があれば、
  みなさん教えて下さい。最後に毎年スミレが見られる自然環境が永遠に続きますように願いたいと思います。

   
 写真 1 コスミレ
 多年草である日本の野生スミレでは、ほとんどが
 デンプンを含まない花粉で、ヨード・ヨードカリで
 染色したとき、赤褐色に染まる。
 写真 2 ビオラ (パンジー系園芸品種)
 1年草のパンジー系ではヨード・ヨードカリで
 染色したとき、黒く染まる
 

 写真 3 ソロリア レッドジャイアント
 多年草の外国種であるソロリアの類は部分的
 にデンプンを含むことが多く中間的な色。
 
 写真4 プリセアナ
 パンジー系のように花粉全体にデンプンを含む
 こともある。
 写真 5
 交雑種(フイリシハイ×コスミレ)の不稔の花粉
 
 写真 6
 フイリスワキクバ 少数の染色される花粉を
 含んでいる
 写真 7
 エドユシマ 少数の染色される花粉を
 含んでいる



 

 

 

 

 

  

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